【今日のひとりごと】トランクに何を入れる？

日本は最近地震が多い。とても多い。

ウイルスという目に見えない恐怖と向き合っているのに

ここで大きい地震なんてきたら大惨事だ。

大雨も怖い。

幸い私の家は海の近くでもないし土地も低くない。

でも足が浸かるような事態は

全く起きないなんて言い切れない。

そして最近夢を見る。しかも頻繁に。

きっと起きている間の色んな情報や記憶が、

私が寝てる間にせっせと脳の中で整理されている。

それらが運ばれている道中でこぼれ落ちてしまった時、

夢という劇場に乱入してしまう仕組みなんじゃないか。

まさに大地震が起きた夢を見た。

大きく横にガタガタ揺れて、

今回こそさすがにやばいんじゃないかと思った。

ガタガタし続けている間に

私の部屋の壁と天井の間に隙間ができてきて

その隙間から空の色が見えてくる

するとその隙間から恐ろしいほど

沢山の虫が入ってきた

もうこの部屋から脱出しなきゃ！と

クローゼットを見つめた私は

数秒固まってしまった。

持っていくものがない。

どれが大切なものかわからないのか

そもそも大切なものなんてなかったのか

とにかく”大切なもの”を持って避難する時

何もできなかった。

しょうがなく部屋を出た私の前には

2人組が歩いていた。

その2人はリュックを背負ったり

荷物を脇に抱えたりしている。

その後ろを歩く私は手ぶらだった。

心も空っぽだった。

空の色は、夕方のような、アニメみたいな

紫とオレンジの空だった。

その後、目覚めてから

友人に大地震が起きた夢を話したりしていて

結局のところ、それもまた夢だった。

映画のインセプションみたいな

層になっている夢はよく見る。

それでもその地震の時の夢は覚えている。

そして『もしもの時』に持ち出すものを考えた。

何も常備してなかったので避難セットも買ってみた。

（人気なのかまだ届かないけど…）

冷静に考えると本当に少ない。

まず、財布でしょ。次に携帯、充電器。

ママのお下がりのブランドのボストンバッグ、

ママが社会人になって初めて自分のお金で買ったやつ。

おばあちゃんのお下がりの18Kのリング、

これは抜けない指に着けておこう。

ついでに自分のお守りのリングも着けて

時計も着けておこう。

他は、思い出の手紙とか入った袋も、

ちょっと待って、

大切な書類やカードとか普段からまとめておくべき？

服は正直なんでもいい。

汚れても良くて動きやすいならなんでも。

ああ、やっぱり今のクローゼットじゃときめかない？

ときめきがあったら、たとえそれが実用性がなくても

トランクに押し込んで逃げるのかな。

服はいいの、新しいの買えばいいから。

家を出る時はトランクひとつで大丈夫。

なんならリュックでもいい。

そうだ、私トランクひとつで越してきたんだ。

ハタチの時に、キャリーケースとリュックだけで

家も決めず、職も確定してないまま、上京した。

つまり物が少ないスタートを一度経験してるのだ。

今では全く覚えてないけれど…

そういえば今日の服はその中のひとつだ。

上京する前に、今まで実家ぐらしだった私は

長野県で合宿免許に２週間行った。

そこでプレ一人暮らしを過ごした。

長野県の秋は、手持ちの服では寒くて

チャリをレンタルして田舎道を長い間走り

やっと辿り着いたユニクロでロンTを買った。

ちょうど今日は5月にしたらかなり寒くて

適当に手に取ったのがそれだった。

長野の田舎で買った、3年以上前のユニクロだ。

さすがライフウェアって自称するだけあるな。

値段が安かろうが高ろうが

思い入れがあろうがなかろうが

その時その時に一緒にいるものと

共に生活していく。

たとえ災害が起きて今すぐ部屋を置いて

最小限の物しか持っていけない時、どうする？

選択する時間も限られてる。

そうじゃなくても今同じ空間で共にしてるものは

全て必要なもの？

避難する時、絶対持ってかないけれど

いい匂いがするディフューザーも

一目惚れして買った高いラグも

大好きだし私の日常には必要。

必要不可欠をベースで考えると疲れるね。

だけど、もう夢の中のあんな寂しい、

空っぽな気持ちになりたくない。

きっと不安な気持ちが夢に表れたのかな。

『もしもの時』なんて来て欲しくないけど

自分を安心させるために準備しておかないと

考えておかないと。

とふと思った。

TOMO